かつては自主自律を旨とし生徒による自治を誇っていたが、今はそんな伝統も死に絶えた
どこにでもある進学校、国府台高校。
ある夏の日、唯一残った伝統にして、やたら長いだけの文化祭の為の会議“ナイゲン”は、
惰性のままにその日程を終わろうとしていた。
しかし、終了間際に一つの報せが飛び込む。
「今年は、1クラスだけ、文化祭での発表が出来なくなります」
それを機に会議は性格を変え始める。
――どこのクラスを落とすのか。
かくして、会議に不慣れな高校生達の泥仕合がはじまった…!
■推薦コメント■(50音順、敬称略)
今石千秋(ZIPANGU Stage主宰/日本コメディ協会監事)
アガリスクエンターテイメント『ナイゲン』面白かったです。
自分が、イチ演劇ファンとして、お金払って見たいと思うのは、こういうお芝居だと、思うのです。
辻本直樹(Nichecraft代表・小道具作家)
「学生の本分は勉強です」って言葉にピンとこない、遊びたい盛りの高校生にとって
文化祭はある意味非日常の、待ちに待ったイベントだったりする。
毎日出される宿題なんて全然やる気にならないけど、
年に一度の文化祭のためなら資料も自分で作るし、長い会議にだって参加する。
同盟、買収、流言飛語、ありとあらゆる戦略コマンドを駆使して、不本意な決定に断固立ち向かう。
内容限定会議、略してナイゲン。ここには高校生による議会政治のすべてが詰まっている(ちょっと言い過ぎた!)。
変化球コメディばっか投げまくるアガリスクエンターテイメント作品の中では珍しく直球で、
そしてそれゆえに、魔球。
星英一(元 新宿シアター・ミラクル支配人)
シアターミラクルで上演された喜劇の最高峰。前回その完成度の高さを目の当たりにした私は、自信を持って普段芝居を見ない友人を誘いまくった。
その甲斐あって、観客動員は台風直撃にもかかわらず約700人を数えたというけど(いいよ、お礼なんて)次は1000人を突破して、ミラクルを踏み台にとっととPARCOにでも行ったらいいじゃん、と思っちゃう、そんな仕上がりなのだ。
まじめな話、一見よくあるドタバタ喜劇かと思わせながら、観客の胸の底にうずくまる過ぎし日への思いを嫌味なくくすぐる手法は、20代の劇作家の手によるものとは思えないほど。
もう一度この作品世界に立ち入ることができると思うと、やはり心が躍る。るんるん。
■ナイゲンとは■
内容限定会議の略称。
アガリスクエンターテイメントの母体となった千葉県立国府台高等学校に実在する、文化祭のために行われる会議。
文化祭の全参加団体の代表者が出席し、各クラスの発表内容に問題が無いかどうかを審議し合う代表者会議。
朝から夕方まで数日間を要することもある。